第188章

「止まれ! これ以上逃げたら撃つぞ!」

不意に飛び出してきた数人が、桐生椿の進路を塞いだ。

椿は抱えていた相手を落とさぬよう足を止める。「あんたら程度で、私を止められると思ってるの?」

「数人だと? 誰が“これだけ”と言った」

男がパン、と手を叩く。すると周囲の闇から、ぞろぞろと人影が湧いた。数十――いや、もっと。全員が重装備で、歩き方も視線の配り方も、素人のそれじゃない。正規軍。間違いない。

この国はレイリーを連れ去らせないために、わざわざ正規兵を“ただのテロリスト”に見せかけて寄越したのだろう。

手が込んでる。

「これでも少ないか?」

「今夜は、羽があっても逃げられんぞ」...

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