第189章

九条蓮は、ひとまず大人しく従うふりをして、無辜の人間を助け出してから逃げる算段だった。

だが――想定は、あっさり崩れる。

捕まった途端、連中は彼の目の前で、ためらいもなく二人を撃ち殺したのだ。

ゲラゲラと笑う、その下卑た顔。

九条蓮は反射的に拘束を引きちぎり、まとめて叩き潰してやろうとした。

「動くな。動いたら、こいつらも全員殺すぞ」

その一言に、九条蓮は奥歯を噛みしめ、怒りを喉の奥へ押し込んだ。

「……人質を放せ。そうしたら俺はついていく」

「ほう?」

「だが、これ以上殺すなら――俺が死ぬときは、お前らも道連れだ」

言い切ると九条蓮は両手を持ち上げ、口で金具をくわえる。...

ログインして続きを読む