第192章

電話を切るや否や、桐生椿は「いったい誰が桐生家に落とし穴を掘ったのか」を洗い出しにかかった。

一晩じゅうパソコンに張りついて調べ倒したが、結果は正直、肩透かしだった。

仕掛けた相手は幽霊みたいに、最初から最後まで一切の痕跡を残していない。

しかも桐生家が契約していた会社は、以前から綻びが出ていたらしく、すでに営業停止のうえ財務は凍結。

訴訟沙汰にもなっていて、判決が出るまでは資金の凍結解除もできないという。

となれば、あの会社が再稼働できるのは早くて三年、下手をすれば五年先――。

……見事な一手だ。

桐生武治ほどの手腕があっても、こんな形で絡め取られたら回避のしようがない。狙い...

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