第207章

「おばあさま、怒らないで。赤の他人のために、そこまで腹を立てる必要ないよ。割に合わないって」

 赤の他人?

 この女、やけに“いい子ぶって”る。しかも矛先は、どう考えても自分だ。

 本当に九条家の孫娘ってだけ?

 なんだか、どこかが引っかかる。

 桐生椿は視線をまっすぐ九条蓮へ走らせた。

 九条蓮は説明もせず、白髪の老紳士に軽く会釈する。

「祖父さん」

 続いて、老婦人にも。

「祖母さん」

 ――なるほど。あの老婦人が九条蓮の祖母か。

 纏っている圧が違うわけだ。

「家の食事会に戻れって言ったでしょう。どうして外の人間まで連れてくるの?」

 先に口を開いたのは九条豊...

ログインして続きを読む