第210章

九条豊子はそれを聞いた途端、顔色を変えた。

「お父さま……怒らないって、約束したじゃない。どうして……」

「今回こそ家法を使わねば、あいつは一生、身にしみて分からん!」

「父さん、俺が段取りする」

九条達郎はそう言うなり、息子の九条和幸を連れて準備に向かった。

親戚たちもぞろぞろと御霊舎へ、見物に走っていく。

九条蓮と九条大輔は一瞬だけ視線をぶつけ合った。祖父と孫――どちらも一歩も引かない。結局、九条蓮が先に踵を返し、御霊舎へ向かった。

「まったく……あのガキは頑固者だ。俺に一言、頭を下げるのがそんなに難しいのか」

老爷子は怒りで咳き込み、肩を震わせた。

九条豊子は深く息を...

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