第30章

その言葉が落ちた瞬間、ウルフは完全に固まった。

まさかこのお嬢ちゃん、志がそこまでデカいとは思わなかった。若頭どころか、最初から自分の席を奪いに来ている。

しかも――最初にかけた“洗礼”が相手を萎縮させるどころか、逆にこっちが肝を冷やした。怖い、というより……鮮烈だった。

「お、お前……調子に乗りすぎだろ。紅狼会は俺が一から作ったんだぞ。『今日からアタシが親分』で済むと思ってんのか。お前、何者だ」

「そうだ! どこの馬の骨かも分かんねぇガキが、親分の座を狙うとか命知らずにもほどがある!」

「ウルフのペットの狼を二匹やっただけだろ。さっきのも、どうせ汚ねぇ手を使ったに決まってる」

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