第32章

だが、桐生椿のその言い分で納得する者は、ほとんどいなかった。

  周囲はせいぜい眉をぴくりと動かした程度で、真に受ける気配もない。

「妹さん、できないならできないって言えばいいのよ。家の人間は誰も笑ったりしない。なのに、どうして嘘をつくの?」

  桐生椿の大言壮語に、桐生美月はとうとう我慢できなくなったらしい。冷ややかな笑みで切り返す。

  サバイバル?

  野外で生き延びる術を、あの子が知っているとでも?

  あれは覚えることが山ほどある。自分たちのような“選ばれた側”ですら、身につけるのに長い時間がかかったのだ。桐生椿にできるとしても――せいぜい付け焼き刃だろう。

「そうだ...

ログインして続きを読む