第51章

「男を落とす手口だけは一丁前よね。妲己でも土下座するんじゃない?」

美紀がねっとりした声で、桐生椿を当てこすった。

その一言を聞いた佐伯誠と数人の先輩たちは、持ってきていたお菓子を一斉に桐生椿へ押しつけるように渡した。

要するに、みんなで甘やかす――それだけの話だ。

「顔はブサイク、口はドブ。いつから歯ぇ磨いてねえんだよ」

佐伯誠は美紀に遠慮しない。言い返しは容赦なく、真正面からぶつけた。

立て続けに刺されて、美紀は泣き出しそうな顔になる。

「美月、見てよ、あいつら……!」

桐生美月が声を落として宥める。

「……気にしないで。あとで、取り返す機会を作ればいい」

――

バ...

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