第58章

校長の合図で、教師がすぐさま救護班を連れて桐生美月の容体確認へ走った。

「うおおおおお――!」

そのとき、月影側から体育館を揺らすほどの歓声が轟く。

担架で休憩エリアへ運ばれた桐生美月の周りには、ほとんどの生徒が駆け寄って声をかけた。さっきの試合は、あまりにも残酷で、あまりにも血なまぐさかったのだ。

――あと数発、打ち込まれていたら。本当に死人が出ていたかもしれない。

「……まさか、あいつが月影の連れてきた暗殺者の教官なの?」

桐生椿の隣で、藤崎弥生が低く呟く。心配そうにしながらも、彼女は前へは出なかった。

その一言で、周囲の空気が一段冷える。

さっきの男は――本気で桐生美月...

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