第61章

「ドンッ……!」

リースの身体が床に叩きつけられた。重たい音と同時に、彼は完全に力を失い、指一本動かせない。

この瞬間、脳裏に残ったのは、たった一つの言葉だけだった。

――俺は、本物の悪魔に手を出した……。

「ありえない!!」

観客席から、甲高い叫びが突き刺さる。

その一声で、ようやく皆が呆然から引き戻された。叫んだのは桐生美月だった。

信じられない。桐生椿が、いつの間にこんな化け物になったのか。

あれほど凶悪な相手を前にして傷一つ負わず、まるで玩具みたいに弄び、叩き潰した。

――人間に、そんなことができるのか?

「そ、そんな……。桐生さんって、いったい何者なんだ……? ...

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