第67章

その場にいたのは九条蓮だけじゃない。野次馬の戦士たちも、ただの見物人も、揃って言葉を失った。

ヘリのカメラは、まだ回っている。

そしてその一部始終は、リアルタイムの監視映像を見ていた連中にも、ばっちり届いていた。

「うわ、今の見た? 戦神が……強引にキスされたんだけど」

「そこじゃねえ。フォックス、やばくない? どんだけ攻めるんだよ」

「ずっと戦神のこと好きで、わざと敵対して気を引いてたとか?」

「……」

九条蓮の耳には、あちこちの囁きが嫌でも入ってくる。

フォックスが彼の注意を引くために盗みを重ねた――そんな推測まで。

だが、周囲の雑音ごときで九条蓮の芯が揺らぐことはない...

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