第74章

桐生椿が立て続けに竹村友梨の顔を潰したせいで、友梨は怒りたくても、その矛先すら見失っていた。

「……いい気にならないで! ほかだって全部、通れるとは思わないんだから!」

それだけ吐き捨てると、竹村友梨は堪えきれない様子で踵を返し、教室を出ていった。

「器ちっさ。自分ができないくせに無理して、結局大恥じゃん」

佐野靖子がくすくす笑って、遠慮なく追い打ちをかける。

「おい、やめとけ。余計なこと言うな」

橋本敏之が低く釘を刺した。

竹村友梨の背後にいる連中は、そう簡単に笑って済ませられる相手じゃない。下手に恨みを買えば、あとが面倒になる。

それでも――桐生椿の鮮やかな結果は、周囲の...

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