第75章

一分钟以内に、桐生椿は「正体が割れる訓練生」になる。なぜなら――この教室の中で、教官が隠した機密資料を回収しなければならないからだ。

しかも、取っただけじゃ終わりじゃない。

その“ブツ”を持ったまま、無事に脱出して初めて実戦合格。

見物人は揃っている。

誰もが、面白いものを待っていた。

「行くぞ、出発!」

一分の距離なんて、たいしたことはない。数歩で着く。

――けれど、桐生椿がその一分の間に何をしたのか。誰にもわからない。

「ふん。あいつ、次はどうやってイキるつもり?」

密閉空間なら、竹村友梨は確信していた。桐生椿ひとりで逃げ切れるはずがない、と。

だから真っ先に扉を開け...

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