第78章

「お、俺……目が霞んだのか? 誰か、今すぐ俺を殴ってくれ」

横山邦彦の仲間の一人が現実を受け止めきれず、隣のやつに泣きついた。

相手は迷いなく、パァンと平手を入れる。

「痛いか?」

そいつ自身も、桐生椿の所業が信じられない顔だった。

「痛ぇ……本物だ。あの子、片手であの狙撃銃を持ち上げたんだぞ……マジかよ。どんな腕力してんだ……?」

狙撃銃はあくまで模造の玩具――とはいえ、重量は実物を1対1で再現している。

桐生椿の細い腕と脚を見れば、力があるようには到底思えない。

それなのに彼女は、銃床を片手で肩に担ぎ上げ、ぶれもなく構えたまま、手慣れた動きでスコープの焦点を合わせ始めた。...

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