第79章

三十体だとしたら、桐生椿は平均二十秒に一体のぬいぐるみを取っている計算になる。

――そんなの、できるわけがない。

「椿、私たち勝った? 勝ったんだよね!」

佐野靖子は我に返るなり、桐生椿に飛びついて抱きつき、ぴょんぴょん跳ねた。

「うん、勝ったよ」

桐生椿は甘やかすように口元をゆるめる。

「やったぁ、勝ったぁ!」

靖子は嬉し涙を手の甲でぬぐい、横山邦彦たちをきっと睨んだ。

「三本勝負の二本先取。あんたたちの負け!」

「今すぐ、私と――私の友だちに謝って!」

横山邦彦は顔を真っ黒にして吐き捨てる。

「誰が勝ち確だって言った? ただの偶然だろ」

「横山邦彦、こいつら……ズ...

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