第86章

「皆さん、お子さんは順次お引き取りください。今後1週間は、専門の心理カウンセラーを派遣して、子どもたちの心のケアを行います」

「ご家庭でも様子をよく見てあげてください。個別のカウンセリングをご希望の方は、学校で申請をお願いします」

「弘明に会える!」

佐野靖子は桐生椿の手をぱっと離すと、興奮したまま校内へ駆けていった。

その頃には、子どもたちはすでに校庭へ誘導されている。

保護者の規制が解かれると、みな小走りで自分の子を探しに行った。

佐野靖子も例外じゃない。

――ただ一人、桐生椿を除いては。

椿は慌てず、靖子の少し後ろをゆっくり歩いた。

そして、姉弟がぎゅっと抱き合うのを...

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