第92章

桐生椿がウルフたちと一緒に紅蓮会へ向かった時点で、彼女が紅蓮会を立て直し、勢力を拡大するつもりでいるのは明らかだった。

ウルフ一行は桐生椿を女王でも扱うみたいに恭しく、黒塗りの高級車へと送り届ける。

道中、桐生椿はリースにメッセージを送った。だが返事はすぐには来ない。何か用事で手が離せないのかもしれない。

紅蓮会に到着し、目の前の拠点を見た瞬間、桐生椿は眉をひそめた。

「……私が数日放っといただけで、ここまで貧乏になる?」

嫌味を言いたくなるのも無理はない。

少し前まで、ここには十数台の高級車が並び、拠点の中もやたらと豪奢だったのだ。金ピカの内装に、成金趣味の調度品。

それが今...

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