第95章

「黒金会の情報は全部洗い出しました。ちょうど今、黒金会のボスが輝煌会所で女遊びしてます。私が行って、さくっと始末しましょうか」

 リースは殺し屋だ。反射的に、黒金会のボスを消す算段へ思考が飛ぶ。

 桐生椿はひらりと手を振った。

「ここはJ国よ。殺人は犯罪」

「ご安心を、女王様。手口はいくらでもあります。検視にかけても絶対バレません」

 次の瞬間、椿の平手がリースの後頭部にぺしん、と落ちた。

 この手の躾は、昔からだ。傍にいた連中が考えなしに余計なことを言えば、いつもこうして黙らせた。身内の前でだけ、彼女はこんなふうに肩の力を抜く。

「私、間違ってました?」

「大きな組織に、悪...

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