第96章

「死にてえのか!」

ブラックベアは、まだ自分の邪魔をする奴がいると知るや、九条蓮に手を出そうとした。

九条蓮は片腕で桐生椿を抱えたまま、足を振り抜く。――ドンッ。

手下の一人が吹き飛び、そのままブラックベアに激突した。ブラックベアは「ぐっ」と息を詰まらせ、ソファへ尻もち。手にしていた武器も床へ転がる。

「何ボサッとしてやがる! さっさと殺せ!」

ブラックベアがこんな屈辱を味わったのは初めてだった。今日はこの二人、絶対に生かして帰さない。

桐生椿は九条蓮にもたれかかりながら、表情だけは平静を装う。だが胸の内はまるで違った。

まさか、こんな夜の遊び場で――この男に出くわすなんて。

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