第98章

桐生椿は慌てるどころか、きょとんとした顔で言い返した。

「……知ってたの?」

九条蓮の視線が、すっと冷える。

だが次の瞬間、少女はさらりとこう説明した。

「実はこの前、国立防衛大学校に声をかけられてね。ちょうど最近は射撃の訓練をしてるの。これ、銃ダコに見える? だとしたら、けっこう上達してるってことじゃない」

桐生椿の言葉は、手のひらの違和感をきれいに片づけたうえで、自分が“準軍人”の立場にあることまで匂わせる。

「……お前、特別枠で?」

九条蓮の目から冷気が引き、代わりに意外そうな色が差した。

「なに、私じゃ不服?」

桐生椿は九条蓮の手を振りほどき、肩をすくめる。

「こ...

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