第162章 意難し平

彼は山の中腹にある洋館へ向かったが、そこにいたのはボディガードと使用人だけで、篠原瑤の姿はなかった。庭では数人のボディガードが車のタイヤを交換しており、家の中では使用人が掃除をしていた。床には、うっすらと血の跡が見て取れた。

眉をひそめて尋ねたところ、篠原瑤が事故に遭い病院にいると知らされた。具体的に何が起きたのかは分からない。ボディガードも使用人も篠原瑤の身に起きたことについては固く口を閉ざし、詳細を語ろうとはしなかった。仕方なく彼は病院へ見舞いに行くことにし、道中で花束も買った。

藤崎隼人は病室に人が入ってきたことに気づかず、まっすぐに篠原瑤の方へ歩み寄った。彼女の抵抗を無視し、床にい...

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