第165章 二十年間育てた私生児

藤崎隼人に離婚協議書を破り捨てられた篠原瑤の動きは迅速だった。翌日には弁護士事務所に連絡を取り、離婚訴訟を起こした。

弁護士との面会を終えた彼女は病院へ向かい、道中で食事とスープを買い込んだ。

橋本勝はまだ傷が癒えず入院中だった。篠原瑤は戻るついでに橋本勝の転院手続きを済ませ、彼を直接A市の中央総合病院へと移した。

病室のドアにたどり着く前に、中から女の子の笑い声が聞こえてきた。どこか聞き覚えのある声だ。

彼女は訝しんで数歩速足になり、病室のドアを開けて中を覗き見た。すると驚いたことに、梅ちゃんがベッドのそばに付き添い、橋本勝と楽しそうに談笑しているではないか。

物音に気づき、二人は...

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