第236章 藤崎さんは酸で死にそう

岡村和幸はシンプルな白いTシャツにジーンズ、サングラスという、若々しく爽やかな出で立ちだった。

彼は車のドアのそばで数秒立ち止まり、サングラスを外すと、藤崎隼人の方を目を細めて見つめた。

藤崎隼人の深い黒の瞳と視線が合うと、その整った顔が険しくなる。

「藤崎さんはどうしてここに?」

「お前こそ、朝っぱらから何しに来た?」

「篠原さんを迎えに来たんです。デートの約束があるので」

藤崎隼人はふっと笑った。「デート?」

信じられるものか。

「こんなに早くから……」岡村和幸は彼を頭のてっぺんから爪先までじろじろと眺め、彼が着ているのが昨夜と同じ服であることに気づいた。

帰っていない。...

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