第239章 白黒を逆転する

ベッドに横になった途端、ポケットのスマホが鳴った。

取り出して着信表示を見ると、ずいぶん連絡を取っていなかった人物からだった。画面で点滅する『星野みさと』の二文字を睨みつけ、彼は少し躊躇したものの、結局出なかった。

電話の向こうの星野みさとはしばらく待ったが、岡村和幸が出ないので、少しむっとしてスマホをバッグに放り投げた。

女の手のひらほどの小さな顔には、精緻で可憐な顔立ちが並んでいる。彼女は窓の外に目を向けたが、そのアーモンド形の瞳は憂いに満ちていた。

彼女はイギリスから帰国したばかりで、乗っていた飛行機が着陸したところだった。少し前、岡村家の大奥様から連絡があり、できるだけ早く帰国...

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