第287章 行く前にキスして

「何をする」

 彼は苛立たしげに酒瓶を奪い返したが、まだ口にする前に、またしても唐沢戦に奪い取られた。

 瞬時に彼の顔が険しくなり、憤然と罵る。「てめぇ、何様のつもりだ?」

「もう飲むな」

「お前に指図される筋合いはねぇ。お前は俺の何なんだ?」

「俺はあんたの弟だ」

「俺の弟? 俺に弟なんていねぇよ。俺の弟が、俺が両腕を潰されるのを目を皿にして見てた時から、あいつとはもう何の関係もなくなったんだ」

 唐沢戦は心臓を針で刺されたような痛みを覚えた。「あなたが篠原瑤にあんなことをしたんだ。藤崎隼人があなたを許すはずがないでしょう?」

「今じゃお前は藤崎隼人の犬か?」

「何を馬鹿な...

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