第303章 虎の口に送る

耳障りなノイズに、篠原瑤は僅かに眉をひそめた。

彼女は手にしていたワイングラスを置くと、橋本勝に目配せをする。橋本勝はすぐさま篠原詩織の前に歩み寄り、彼女の肩にかかっていた限定物のバッグをひったくり、そのまま瑤へと手渡した。

瑤がバッグを開けると、中から二台のスマートフォンが見つかった。一台は篠原詩織が普段使っているもの、もう一台はあまり見かけない、すでに生産中止となっているミニサイズのスマートフォンだった。

ミニスマホにはパスワードがかかっており、開けない。

彼女は顔を上げ、篠原詩織を見やった。「パスワードは?」

篠原詩織は冷笑を浮かべる。「私は藤崎隼人に会いに来たの」

「『一番...

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