第304章 不倶戴天の仇

「わざとでしょう。黒沢西が私に優しくないって知ってた癖に、彼に迎えに来させるなんて。なんて酷い人なの。私を痛めつけないと気が済まないんでしょう?」

篠原詩織は感情を昂らせ、震えながら藤崎隼人を見つめたかと思うと、途端に顔つきを変え、泣きながら哀れを誘う演技を始めた。

「隼人お兄様、助けて。お願いだから助けて。私が一番愛する人だってこと、忘れちゃったの? 昔はあんなに可愛がってくれたじゃない。篠原瑤に騙されないで。あの子はずっとあなたを騙してるの」

「あの子、私を悪い人に引き渡そうとしてる。私、殺されちゃう」

「お願い、助けてくれない?」

彼女は滂沱の涙を流していた。

藤崎隼人は顔を...

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