第314章 彼のそばには彼女だけ

彼女は桐生正を支えながら外へ出ると、主寝室まで連れて行き、背中をさすってやりながら言った。「この家はあなたにかかっているんですから。

あなたに何かあっては困ります」

桐生正は長いため息をついた。「あの子は本気で私を怒り殺す気だ」

「気を楽になさって。あの子とは私が話しますから」

桐生正の気持ちを宥めると、桐生和代は桐生甜の部屋へと向かった。

桐生甜はまだ騒いでおり、息も絶え絶えに泣きじゃくっていた。

その様子を見て、桐生和代は少々腹立たしげに言った。「少しはしっかりできないの? 男一人のためにそんなに泣いて、外聞が悪いわ」

「お母さん、行かせて、お願いだから」

唐沢戦が外で一晩中...

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