第330章 もし心を入れ替える気があるなら

おどろおどろしい音楽が、不気味に鳴り響いている。

篠原瑤は顔のほとんどを藤崎隼人の胸に埋め、両手で耳を塞いでいた。

彼女は何一つ直視することができない。幼い頃から臆病で、ホラー映画など見たこともないし、女優という職業柄でも、ホラー作品の撮影に挑戦したことなど一度もなかった。

藤崎隼人はそんな彼女の様子に思わず笑みをこぼし、その背中を優しく叩いた。

「そんなに怖がってるくせに、なんで入るなんて言ったんだ?」

「誰が怖いなんて言いましたか」

「……」

口だけは一人前だ。

少し離れた物陰に身を潜め、大倉俊は笑みを浮かべて二人を眺めていた。

白いワンピースを着て、墨のような黒髪を顔全...

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