第344章 ついに貸し借りなし

書斎の床には、激怒した渋谷奕が叩きつけたマグカップの破片が散らばっている。

彼が手近にあった灰皿を掴み、また床に叩きつけようとした瞬間、藤崎隼人が大股で歩み寄った。手からそれを奪い取り、無造作に脇へ置く。

篠原瑤はその隙に久保湘子へ近づき、書斎から強引に連れ出した。

一ヶ月ぶりの再会だ。久保湘子がリハビリに付き添い、二人はうまくやっていると思っていたのだが……まさか以前より関係が悪化しているとは。

「部屋はどこ?」

久保湘子は涙を拭い、篠原瑤を自室へと案内した。

ドアを閉め、ベッドの端に二人で腰を下ろすと、彼女は泣きそうな顔で訴えかけてきた。

「もう、本当に渋谷奕には耐えられない...

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