第356章 彼が犯した罪は地獄に落ちるに十分だ

 そっとドアを押し開け、彼は足を踏み入れた。

 この時間はまだ眠っているだろうと思っていたが、意外にも星野みさとは目を覚ましていた。ベッドのヘッドボードに背を預け、体を小さく丸めて座り込んでいる。

 彼が突然入ってきたことに気づくと、彼女の顔からさっと血の気が引いた。とっさに布団を体にきつく巻き付け、ベッドの隅へと後ずさる。

「来ないで」

 その瞳には、明らかな恐怖が宿っていた。

 彼女は、俺を恐れている。

 彼はその場に凍りついた。両足に鉛を流し込まれたかのように重くなり、一歩も動けなくなる。

「あなたなの?」

 眼窩(がんか)が赤く染まり、声が震えている。

「あの夜、部屋に...

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