第366章 篠原詩織、ついに逮捕

事情を短く伝えると、電話の向こうから藤崎隼人の極めて冷静な声が返ってきた。

「すぐ戻る」

男は余計なことを一切口にせず、それだけ告げて通話を切った。

彼女は携帯をコートのポケットに突っ込み、遠山知佳のもとへ駆け寄ってその腕を掴んだ。

数人のボディガードが遠山聖也と遠山知佳を引き離そうとしていたが、相手は藤崎隼人の従兄と従妹という特別な身分だ。手荒な真似もできず、攻めあぐねている。

板挟みになった遠山知佳の細い腕は、今にも引きちぎられそうだった。

「兄さん、放して」

遠山聖也は眉間の皺を深くし、掴んだ腕にさらに力を込める。まるで骨を砕かんばかりの勢いだ。

「俺はマンションに移るん...

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