第368章 一度賭けよう

藤崎隼人は冷徹な面持ちになり、篠原瑤の手を引いてエレベーターホールへと向かった。だが、待ち人が多いと見るや、即座に踵を返し、彼女を引きずるようにして非常階段へと足を踏み入れる。

階段を一気に下り、一階の病棟出口を抜ける。

「大倉俊がもうお前を傷つけないと言うなら、俺が奴を追うのに時間を割く必要もないだろう」

篠原瑤は「そう」とだけ短く答え、それ以上は口を閉ざした。

駐車場に着くや否や、藤崎隼人は乱暴に車のドアを開け、彼女を押し込むと、バタンと大きな音を立てて閉めた。自身は乗り込まず、車体に背を預けてタバコに火をつける。

明らかな不機嫌さを感じ取り、篠原瑤は慌てて車を降りた。彼のジャケ...

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