第373章 彼は君が大好きみたいだ

午後八時。

藤崎家の別荘は、煌々と明かりが灯っていた。

夕食を終えて間もない頃。篠原瑤は庭へ出て散歩をしていた。その背後には、左伯一と橋本勝が付き従っている。

藤崎隼人は東警部からの電話を受け、今は書斎で込み入った話をしているため、彼女の散歩には付き添っていない。

彼女は両手を背中に回し、ゆったりとした足取りでガーデンの方へと向かった。

「ボス、車が来ました」

左伯一が声を上げる。

彼女が正門の方へ視線をやると、一台のシルバーのセダンが門番のボディーガードに許可され、敷地内へと滑り込んでくるところだった。

あれは、星野みさとの車だろうか。

彼女は足を止める。車が庭に停まり、中...

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