第377章 彼女はウサギちゃん

「俺は記憶力がいい」

渋谷奕は車椅子を操って遠山知佳の前にやってきた。彼女がリハビリ科の看護師になっていたことは、彼にとって意外だった。

「もともと看護師だったのか」

「はい」

彼は黙り込み、まだあどけなさの残る、赤ん坊のような愛らしい顔をじっと見つめた。その視線はあまりにも直截的だった。

遠山知佳は頬を真っ赤に染め、彼に見つめられて心臓の鼓動が早くなるのを感じた。まるで針のむしろに座らされているようだ。

「渋谷さん、どうしてそんなにじろじろ見るんですか」

「可愛いって言われたことはないか」

遠山知佳はうつむき、緊張のあまり両手を固く組み合わせた。

透き通るように白い肌、肩ま...

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