第381章 渋谷の若様のご指名

「いい酒なら売るほどある。加瀬マネージャーの好意だけ受け取っておく」

 藤崎隼人は再び、礼儀正しくも素っ気なく拒絶した。

 加瀬あすみの張り付いたような笑顔が、さらに強張る。「藤崎社長……」

「この店の料理は悪くない。加瀬マネージャーも味わってくれ」

「……」

 言いかけた言葉を遮られ、加瀬あすみは二の句が継げなくなる。

 場の空気が重く澱む中、篠原瑤の口元には微かな笑みが浮かんでいた。彼女は相変わらず口数少なく、黙々と食事を続けている。

 食後、支払いは藤崎隼人が済ませた。

 個室を出ると、彼は篠原瑤の腰に手を回し、耳元で親密に囁いた。「口に合ったか?」

「ええ、とても美味...

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