第382章 注目の的

「夕食の準備ができたわ。下に降りて食べましょう。従兄さんも今帰ってくる途中だから、帰ってきたら、その件を話してみて」

 遠山知佳は頷き、篠原瑤の後についてダイニングへ向かった。

 二人が席に着いて数分もしないうちに、藤崎隼人が帰宅した。

 男は部屋で着替えを済ませると、ダイニングに現れ、迷うことなく篠原瑤の隣に腰を下ろす。

 使用人たちが慌ただしく出入りし、すぐに夕食がテーブルに並べられた。

「従兄さん。お友達の渋谷さんが、私を専属の理学療法士として雇ってくれたの。それで、通うのにも便利だから、しばらく彼の家に住み込みで働こうと思うんだけど」

 遠山知佳が沈黙を破った。

 藤崎隼...

ログインして続きを読む