第387章 彼に新しい恋人はいない

十一時間のフライトを経て、飛行機はようやくパリのシャルル・ド・ゴール空港へと降り立った。

機内から出た篠原瑤は、腕時計の針を合わせる。現地時間は午後三時。国内はもう、夜の十時を回っている頃だ。

左伯一と橋本勝が手荷物受取所へ向かい、その後、到着ロビーで篠原瑤および葉月と合流する手はずになっている。

久保湘子は手が離せないらしく、秘書の江藤惟が迎えに来てくれていた。

車に乗り込むと、篠原瑤は真っ先にスマホを取り出し、藤崎隼人にメッセージを送った。

『パリに着きました』

藤崎隼人からの返信は、ほぼ即答だった。

『ホテルの手配は』

『前もって予約してあるので、今向かっています』

『...

ログインして続きを読む