第388章 毛を逆立てたハリネズミ

「篠原瑤、あんたは人が良すぎるのよ。頼まれたら断れないし。そんなにチョロくてどうすんの、あたしの方が心配になるわ」

 久保湘子は大きく溜め息をついた。

 篠原瑤は、久保湘子が悪気があって言っているわけではないと分かっていた。ただ、口調が少し急で、きついだけだ。彼女は久保湘子の手を握りしめた。

「もういいの、その話はやめましょう」

「あんたってば、いつも損ばかりしてるじゃない」

「子供の頃、母さんが言ってたの。『損して得取れ』って」

「馬鹿じゃないの」

 彼女は笑い声を上げ、久保湘子の肩を指で軽くつついた。

「湘子こそ」

「どう見てもあんたが馬鹿よ。あたしはあんたとは違うもの。誰か...

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