第390章 会いたかった

同時刻。

国内は午後二時を回った頃だった。

「渋谷奕人」はリハビリ室にいた。「遠山知佳」が彼の脚の筋肉をマッサージしている。彼は恍惚とした表情を浮かべていた。「遠山知佳」の手技と力加減は絶妙で、痛みを和らげてくれるのだ。

交通事故に遭って以来、これほど心地よい感覚は久しぶりだった。

その時、ポケットの中のスマートフォンが唐突に鳴り響いた。

取り出して着信画面を一瞥し、「久保湘子」の名前を見つけた瞬間、彼は全身を硬直させた。

信じられなかった。「久保湘子」の方から電話をかけてくるなんて。

一ヶ月前、あれほど決然と立ち去った彼女が……。

彼はスマートフォンを凝視し、画面に表示された...

ログインして続きを読む