第394章 おバカさん

「久保さん、ここはあなたの来る場所じゃない」

橋本勝が足早に歩み寄り、久保湘子を病室の前から引き剥がす。

「帰ってください」

その騒ぎで、葉月と左伯一が目を覚ました。

久保湘子の姿を認めるなり、葉月は激昂した。拳を振り上げ、その顔面に叩き込もうとする。

この女が意図的に自分たちを遠ざけなければ、篠原瑤があんな目に遭うことはなかったのだ。

拳が迫るのを見て、久保湘子は頭を抱えてうずくまる。手に提げていた朝食が『バシャッ』と音を立てて床に落ちた。

彼女は身体を小さくし、頭を抱え込んでダンゴムシのように丸くなる。

葉月の拳は空を切り、さらに蹴りを見舞おうとしたその時——病室の扉が不意に開か...

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