第400章 あなたを信じる

「もうすぐ家族になるんだ。そんな角が立つような物言い、よそうじゃないか」

 唐沢霄は笑みを浮かべながら唐沢戦を押し退けた。掴まれて皺になった服を整えつつ、唐沢戦がとっさに懐へ庇った桐生甜を一瞥し、嘲るように言う。

「桐生さんも、随分と安売りするもんだね」

「なんだと!」

 唐沢戦の両目が怒りで赤く充血する。再び唐沢霄の胸倉を掴み上げると、周囲の目も構わずに壁へと押し付け、一言一句噛み締めるように脅しをかけた。

「ここで俺に殴らせるなよ」

「殴ればいいさ!」

 唐沢霄は、むしろ彼がここで手を出してくれることを望んでいた。

 桐生正というあの古狸に、婿がいかに軽率で、すぐに暴力で解...

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