第408章 誰にも彼女を連れて行かせない

庄司厳の手が宙を彷徨い、場に気まずい空気が流れる。

男の不機嫌さを察した沙々は、媚びるような笑みを浮かべた。

「庄司社長、表の車はご覧になったでしょう? あの車もこの人も、借金のカタに全部持って行って構いませんから」

言い終えるや、彼女は遠山聖也に目配せする。

遠山聖也は慌てて車のキーを庄司厳に差し出した。

庄司厳はキーを一瞥しただけで、受け取ろうとはしない。

「車は手元に残しておけ」

遠山聖也と沙々は顔を見合わせ、途端に狼狽した。

車はいらない……。

お気に召さなかったのか?

「庄司社長、あれは限定生産で、もう手に入らない代物です。一億以上の値がつくんですよ」

庄司厳は...

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