第448章 別れる?ありえない

「わかった、渡す……渡すから!」

三浦小夜は震える手で身につけていたマンションの鍵を取り出し、真野と林若奈に手渡した。

篠原銘清を失うわけにはいかない。あの老いぼれは、彼女に残された最後の命綱なのだ。

「名義変更は早急にな」

真野が低く脅すような声をかける。

彼女は首を激しく縦に振った。

「安心して。マンションを渡すことに同意したんだから、いまさら後悔なんてしないわ」

(たかが、薄汚いボロアパートじゃない)

心の中で毒づく。あんなもの、くれてやるわ。

篠原銘清と籍さえ入れてしまえば、篠原家の財産も会社も、すべて彼女のものになるのだから。

郊外ではタクシーが捕まらず、三人は長...

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