第449章 私たちは両想い

渋谷奕は腕を上げ、自然な仕草で遠山知佳の肩を抱いた。

ふと庄司厳の姿が視界に入ったが、彼は気にも留めず、すぐにその眼差しを遠山知佳へと戻す。

「行くぞ」

彼女の肩を抱いたままエレベーターに乗り込む。ドレスの上にコートを一枚羽織っただけの彼女は、寒さを感じたのか、彼の懐へとすり寄ってきた。

彼は抱き寄せる腕に力を込め、俯いて彼女の唇に軽く口づけた。

磁器人形のように整った小さな顔が、見る見るうちに朱に染まっていくのを見て、彼は思わず吹き出した。「なんでそんなに顔が赤いんだ?」

たった一度のキスで、これほど照れるとは。

遠山知佳は視線を泳がせ、熱くなった頬をぺちぺちと叩くと、小声で呟...

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