第99章 私が間違っていました、許してくれませんか

藤崎隼人はとうに誕生日のサプライズを用意していたが、篠原瑤は一向に現れなかった。

電話には出ず、メッセージにも返信がない。

撮影チームが彼女のために誕生日パーティーを準備していることは知っていた。その場の雰囲気を壊したくなかったため、彼はひたすら我慢し、待ち続けた。だが、もうこれ以上は待てないと、このクラブへやって来たのだ。

せめて誕生日プレゼントだけは時間通りに渡したかった。

しかし、彼がクラブの扉をくぐる前に目にしたのは、酔っ払った篠原瑤が同じ撮影チームの林可憐に抱きかかえられて出てくる姿だった。

彼の顔は瞬時にして険しくなり、一歩前に出て篠原瑤を受け取ろうとした。ところがその時...

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