第8章

 カエルムが、最前線を駆け抜けた。

 手にした暗金の大剣――刃にこびりついたのは悪魔の黒い血。その一振りは死神の鎌さながら、瞬く間に十数体の上位アビス悪魔の喉を裂き、ぶち抜いた。

 黒蛇軍団の騎士たちが咆哮しながら追随する。鉄壁だった悪魔の包囲網は、完全に引き裂かれた。

 同じ頃、竜王と竜后が、竜族に残されたわずかな残兵を率いて、裂けた虚空の転移門をくぐり――よろめきながら、このアビスの戦場へと降り立つ。

 その瞬間だった。

 私がすでに短剣で心臓を貫いたはずのドリスタンが、倒れない。胸に穿たれた血の穴で、アビスの腐臭を孕んだ黒魔術がぐずぐずと蠢き、本来なら死んでいるはずの肉体を無...

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