第4章

カフェの窓から午後の陽光が降り注ぎ、カウンター越しに働く私を眠気に誘う。

ラテアートもだいぶ上達してきた。そして、本当に久しぶりに、私は……「普通」なんだって感じていた。

隼人と結婚して、もうすぐ一週間になる。

毎朝店まで送ってくれて、毎晩迎えに来てくれる。口数の多い人じゃないけれど、私のコーヒーにはいつも砂糖を多めに入れてくれるし、私がソファで寝落ちしてしまうと、ちゃんと毛布をかけてくれる。

それは、心地よかった。悪夢のことなんて、忘れさせてくれるほどに。

「明花ちゃん、お客さんだよ」

同僚の美咲が、わくわくを隠しきれない様子で突然肘で私をつついた。

「やばっ...

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