第5章

瑠美視点

外の日差しはあまりに眩しかった。牧人が私を自分の車へと向かわせる間、私は目を細めた。

彼は助手席のドアを開けた。「乗れ」

「いや......」

「乗れ」声のトーンは上がらなかったが、その響きには私の胃を締め付けるような何かがあった。

私は車に乗り込んだ。

彼は運転席側に回り、乗り込むとエンジンをかけた。ハンドルを握る指の関節が白くなっている。

私たちは駐車場を出た。誰も引き止めなかった。

「どこへ行くの?」

彼は答えなかった。

「牧人、どこへ……」

「少し黙ってろ」

だから私は黙った。助手席に座り、見慣れた名波谷の街並みが流れていくのを眺めなが...

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