第7章

瑠美視点

 事故の翌朝、私はワイン工房にある牧人のベッドで目を覚ました。

 頭はガンガンと痛み、全身が打ち身だらけのようだったが、意識はこの四年で一番はっきりしていた。今やすべてを思い出していた。黒いセダンが両親の車線に割り込んできたこと。金属が軋み、砕けるおぞましい音。空気を切り裂く母の悲鳴。

 廊下で足音が聞こえ、やがてドアがゆっくりと開いた。

 そこに立っていた牧人は、一睡もしていないようだった。顔は青白く、目は赤く充血していた。

「瑠美?」彼の声は、まるで私が壊れてしまいかねないとでも言うように、ひどく慎重だった。「気分はどう?」

 私は彼を見つめ、胸の中に冷たいものがす...

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